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第Ⅰ章 大学とは何か⑤|市川昭午『未来形の大学』読書ノート(1)

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『未来形の大学』市川昭午著(玉川大学出版部)は名著である。

現在大学人が直面している問題について、数多くの示唆を与えてくれる。

読書ノートをご紹介しよう。

Ⅰ章 大学とは何か―機能の多様化と理念の喪失

大学の独自性の消滅

  • 昨今、大学管理運営における効率性の欠如が厳しく問われるようになったのは、大学の独自の役割を喪失し、特別の存在でなくなったことに原因がある。
  • 大学の機能を効率的にするためには、設置形態や管理組織の改革に先んじて研究と教育の統一を図ることが不可欠。
  • もはやそれは不可能というのであれば、研究と教育の機能を分離し、それぞれ別の機関に担わせるのが解決策。
    →設置形態や運営の仕方をいくらいじくりまわしてみても、抜本的な解決策にはならない。
  • 今日の大学改革のスローガンは、実質的な判定基準を欠いている。
    →評価する側の価値観が明示されることが不可欠。
  • 近年、大学の統合原理とされている「エクセレンス」というテクノクラート的概念は、特定の理念や具体的な内容を示すものではなく、たんにシステム内部における架空のものさしにすぎない。
  • このものさしにすぎないところが制度的統一に脅威を与えることなく多様性が容認されるのを可能にするのであり、中身がないからこそ諸々の活動を純粋に管理運営的機能に統合することができる。
  • そうした空虚な概念に訴えること自体、大学には有効な理念がもはや存在しないことを意味している。
  • 近代大学の理念に代わるべきものをみいだしがたい今日、大学教育界を覆うニヒリズムは否定しがたい。

第Ⅰ章 大学とは何か①
第Ⅰ章 大学とは何か②
第Ⅰ章 大学とは何か③
第Ⅰ章 大学とは何か④

未来形の大学 [高等教育シリーズ] (高等教育シリーズ)
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!

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