2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(1)

2040年における大学の役割と使命 第1部 基調講演 関西学院大学 学長 村田 治氏
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はじめに

大学行政管理学会の特別シンポジウム(第3回近畿地区研究会)に参加してきた。

テーマは「2040年代における大学の役割と使命ーそのために今、為すべきことー」。

今回は、第1部の関西学院大学長の村田 治氏による基調講演である。

当日配布された資料も交えながら、筆者が重要だと感じたことをご紹介する。

読者の考えるヒントにしていただければ幸いである。

■と き:2018年12月9日(日)13:00-17:35
■ところ:龍谷大学深草キャンパス

【第1部】2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(1)
【第2部】2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(2)
【第3部】2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(3)

▼当日の概要についてはこちら。

第1部 基調講演 関西学院大学 学長 村田 治氏

龍谷大学会場

Ⅰ.現在と今後5〜10年後の社会

  • 今後の大学進学率は、60%を超えて65〜66%となるかもしれない。
  • 大学入試改革の目的は、大学でも主体的に学ぶようになること。
  • ユニバーサル段階での高等教育の目的は、新しい広い経験の提供。コンピテンシーレベル(学習し続ける能力)の能力が重要となる。
  • 今後5〜10年に起きる労働市場の大きな構造変化は、
    1.新卒一括採用制度の廃止
    2.AIの発達に伴う人材需要の変化
    であり、大学教育の変革が求められる。
    1.コンピテンシーレベルでの教育
    2.「柔軟な学位プログラム」の構築
  • 大企業の採用は、国内では新卒一括、外国では能力中心の採用を行っている。
  • インターンシップの在り方を再考する必要があり、中身が問われる。学生に手を出すのは卒業してから。
  • 企業がもっとも求めている人材はアントレプレナー。とくに学生時代に失敗したことのある学生。

Ⅱ.2040年以降の世界

  • 今後は知識集約型の社会
  • 博士課程修了者の比率が高い職場は労働生産性が高いが、日本はその比率が低い。
  • 大学時代の学習が、現在の学習と将来の所得を支える。
  • 社会で学び続けている人は、大学でも学んでいた人。学部<修士<博士の順に学びが深い。
  • ユニバーサル時代では、大学院でのリカレント教育しかありえない。
  • 組織や人への投資が足りなかった日本。
  • 同世代の半分しか正社員になっていない。失業率は15%。

Ⅲ.求められる大学改革

  • 必要なのは、
    1.改革のビジョン(将来構想)の設定
    2.自大学のSWOT分析
    3.職員の意識改革と能力向上
  • 「建学の精神」と将来構想のビジョンに基づいたSWOT分析。
  • 職員の意識改革
    職員が大学のマネジメントの主体に。
    教員は教育と研究での競争が激化。
  • 職員の能力向上が不可欠
    修士学位が最低必要。
    AIの知識を含めた計画的OJTの必要。
  • 現時点ですべき職員の意識改革の方策
    1.大学行政への主体的な参画
    2.社会や経済の動きや文部科学省の政策と、自大学の政策との関連性の理解
    3.大学外でのセミナーや研究会への積極的参加
  • 関西学院大学は金融業界や電力業界へ就職している卒業生が多いが、最近では、AIに詳しい人材を育てるべくIBMに協力してもらっている。
  • 私立大学にも年俸制が導入されるか。
  • 教育には集積のメリットがあり、大学の東京一極集中はなくならない。
  • 教育(学生)の質保証は、社会からの評価=市場からの評価。

感想ー職員が大学マネジメントの主体になる

村田氏はこの日、職員の意識改革と能力向上について、力説されているように感じた。

繰り返しになるが、

  • 職員がマネジメントの主体になること

そして能力向上のために現地点で行うべきこととして、

1.大学行政への主体的な参画
2.社会や経済の動きや文部科学省の政策と、自大学の政策との関連性の理解
3.大学外でのセミナーや研究会への積極的参加

とし、加えて将来には、

  • 修士学位
  • AIの知識を含めた計画的OJT

も必要だと指摘しておられるのである。

これこそが「大学職員2.0」にふさわしい職員像ではあるまいか。

 

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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!

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