『未来形の大学』市川昭午著(玉川大学出版部)は名著である。
現在大学人が直面している問題について、数多くの示唆を与えてくれる。
読書ノートをご紹介しよう。
Ⅰ章 大学とは何か―機能の多様化と理念の喪失
5.「本当の大学」の死滅
「低級」大学と真の大学
- わが国の大学は19世紀後半に成立した欧米の大学を模したものであり、抱きつづけた大学のイメージは近代大学の理念。
- 大学が直面する問題が論議される場合には、常に大学の本質、あるべき大学の姿とのずれが意識されていたことが見逃されてはならない。
- 新制大学は「本当の意味での大学」すなわち「学問の最高学府」ではありえなかった。アメリカ式の「真の大学」すなわち教育機関としても不十分なものだった。
大学の精神の衰亡
- 最近のわが国では、近代大学の理念がもはや「生きた理念」ではなくなった。
- 大学紛争以降、大学の制度やイメージは急ピッチで変わりはじめた。
- しかしそれは近代大学の理念を実現するのでなく、それを放棄する方向においてであった。
- 今や近代大学は、名実ともに完全に死に絶えた。
⇐第Ⅰ章 大学とは何か①
⇐第Ⅰ章 大学とは何か②
⇐第Ⅰ章 大学とは何か③
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- 作者:市川 昭午
- 出版社:玉川大学出版部
- 発売日: 2001-04-20
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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