大学職員として専門磨きをー「専門的職員の活用の実態」を読む

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大学における専門的職員の活用の実態把握に関する調査結果(概要)

大学における専門的職員の活用の実態把握に関する調査結果(概要)」が先日公表された。

これは中央教育審議会大学分科会大学教育部会(第41回)の資料として配布されたものである。

その目的は、
「各大学における高度な専門性を有する人材『専門的職員』の活用の在り方に関する認識や実態等について把握し、今後の施策立案に資することを目的として、専門的職員の活用状況を情報収集する」
である。

また「専門的職員」の定義は、
「『専門的職員』とは、調査票に掲げる24の職務について、当該職務に関する個人の高い専門性に着目して配置され、当該職務を主に担当している(複数の職務を担当している場合はエフォート率が概ね5割以上)大学職員を指す」
とあり、24の職務とは以下のとおり。

  • 執行部判断に対する総合的な補佐
  • 監査
  • インスティテューショナル・リサーチ
  • 法務
  • 財務
  • 広報
  • 人事
  • 情報通信・IT
  • 施設管理
  • 入学者受入
  • 教育課程編成・実施
  • ファカルティ・ディベロップメント
  • 学修支援
  • 研究管理
  • 研究技術
  • 知的財産
  • 国際
  • 地域連携
  • 図書
  • 就職・キャリア形成支援
  • 学生の健康管理
  • 資産運用
  • 寄附
  • その他

感想

中教審大学教育部会の委員で桜美林大学の篠田道夫教授は、調査結果について以下のように述べておられる。

トップ2となったIRと執行部判断に対する総合的な補佐は、学長や執行部の適切なリーダーシップと意思決定をサポートする役割であり、これらに専門的な職員を配置したいと考える大学が多いということに注目すべきだ。データの意味を理解し、政策提言を行うには、高等教育全体に対する知見と、所属する大学の基本政策や固有の事情に精通した”専門性を備えたゼネラリスト”が必要になる。

「大学運営の一層の改善・充実のための方策について(案)」について、各大学はこのメッセージを読み解き、職員の能力向上とその評価のしくみ、教員と職員の実質的な協働によって大学改革を進めることができる体制を構築してほしい。

大学教育部会・篠田委員が読み解く「専門的職員に関する調査」結果(出典:Between情報サイト)

個人的に気がついた点を、以下紹介する。

■専門的職員の確保状況「職務別」
「【『専門性』に着目して中途採用】が最大の割合を占める職務が高い」とあり、多くの大学では、中途採用が確保方法のようだ。

■専門的職員育成のための取組の有無(参考)
「いずれの支援系(経営層補佐/管理運営系、教育研究活動支援系、学生支援系)においても、専門的職員の育成のための取組を『実施せず』とする割合が最も高く、いずれも70%を超えている」とあり、多くの大学で育成のための取組が行われていないことが示されている。

■育成のための具体的方策
「『学外での研修・学位取得等に対する支援』の割合が最も高い」とあり、各自が自主的に学んでいる現状が垣間見れる。

以上のような結果を見ると、

  • 専門的職員の確保は、多くの場合中途採用を考えている。
  • 任期雇用が多い。
  • 特別の処遇はしない。
  • 育成のための取組はしていないところがほとんど。
  • 育成のための具体的方策は学外で。

が現状のようである。

いまは雇用形態の過渡期

たまたま読んでいた野口悠紀雄氏の『「超」情報革命が日本経済再生の切り札になる』に、以下のような指摘があった。

就業の契約形態は、終身雇用→契約社員・非正規雇用・パートタイム・アウトソーシング→フリーランスがある。

最近生じつつあるフリーランスは、「新しい所得獲得の手段が生まれつつある」ということで、最近の変化では最も重要なのはこの側面かも知れない。

ただ、制度的要因が影響するとし、税制と社会保障制度の問題があり、フリーランスに不利に働いている。

労働者の立場から言えば、将来に不安がある場合には終身雇用が望まれるだろうが、経済条件が変化している場合、非正規雇用やフリーランスが望まれるだろう。

自分の専門性に磨きをかけておこう

さて、どうすべきだろうか。

大学運営の一層の改善・充実のための方策について(案)」では、専門的職員の配置について、つぎのように述べられている。

専門的職員については,現時点において新たな職としてその設置に関する法令上の規定を置くのではなく,まずは,現状での各大学における専門的職員の活用状況に関するより詳細な分析や,各大学がその実情に応じて必要とする新たな専門的業務の的確な遂行に資するための情報収集や環境整備に取り組むことが重要と考えられる。

上記の野口氏の指摘といい、この答申の指摘といい、要するにいまは過渡期なのではないか。

大学職員がやるべきことは、3点あると考える。

1.社会人として必要なマナー・知識・ITリテラシーなどの修得
2.大学人として必要な知識の修得
3.自分が得意とする専門知識・経験の深掘り

いま必要とされているのが3.になると思われる。

雇用形態や処遇、さらに現在の所属部署などにかかわらず、自分が得意とする領域の深掘りをしておかねばならない。大学がやってくれないのであれば、自分でやるしかないのである。

「データの意味を理解し、政策提言を行うには、高等教育全体に対する知見と、所属する大学の基本政策や固有の事情に精通した”専門性を備えたゼネラリスト」が、どの大学でも必要とされる理想の人材像だと考える。

そういう職員を目指そうではないか。

ちなみに、専門的職員の職務には以下のようなものがある。

あなたは何を目指すのであろうか。

【管理運営系】
経営企画
IRer
法務
財務会計
広報
人材採用・育成・研修
情報、ICT等

【教育研究活動支援系】
URA
FDer
図書館司書
アドミッション・オフィサー
カリキュラム・コーディネーター
産学連携コーディネーター
国際交流コーディネーター

【学生支援系】
キャリアコンサルタント
スクール・カウンセラー
留学生相談室
学生相談室

なかでも、IRer、URA、アドミッション・オフィサー、カリキュラム・コーディネーター、産学連携コーディネーター、国際交流コーディネーターなどは、大学業界独自の、そして比較的近年になって生まれた職務。

 

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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!

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