「『事務』職員から『大学』職員へ」第13回目です。
この記事は、福島一政氏の第1回高等教育推進センターSD講演会(関西学院大学)での講演をご紹介するものです。
出典:関西学院大学高等教育研究第2号(2012年3月)
今回は、「SDによって何を変えるか」です。
SDによって何を変えるか
福島氏は、
- 低学力の学生と、目的意識のはっきりしない学生が多く入ってくることが一番の問題
- 職員が(学生の)学習意欲を引き出すような取り組みを考える必要
- ルーチン業務だけでなくて、困難な課題にチャレンジするということが大事
と述べています。
教育責任を分有
これだけではすこし抽象的でわかりにくいかもしれません。
講演では次のように述べています。
これを教員たちだけに責任を被せても無理です。大学の先生というのはそれぞれ専門があります。その専門を教えることについては責任もってやってもらえばいいのですが、もともと学ぶ意欲の無い子たちに対して、あるいは、社会常識のない子に対する教育まで大学の教員に任せてしまうということは、教員にとっても非常に厳しいと思います。むしろそのようなことは、職員がちゃんとやるべきではないでしょうか。職員が学習意欲を引き出すような取り組みを考える必要がある。つまり、教育責任を分有する必要があります。
低学力や目的意識のあいまいな学生への教育を教員だけに任せるには厳しい。それについては職員がやるべきではないか、ということになると思います。
教育責任を果たすには
これまで課外教育やキャリア指導などは職員が中心に指導を行ってきましたが、履修指導は行っても教育指導というのはほとんど行ってこなかったように思います。
いまでは入学前教育や初年次教育、そして補講教育などさまざまな職員の活動領域が増えてきました。
学生の学習意欲を引き出す仕組みづくりや学生指導を行うためには、
- 教育への深い理解と豊かな造詣
- 学生一人ひとりと向き合える人間力
が必要とされます。
そういう意味でもSD(職員の能力向上)の必要性を強く感じるのです。
⇒第14回:教職協働で実現すること 「事務」職員から「大学」職員へ(14)を読む。
【目次】「事務」職員から「大学」職員へ 福島一政氏の講演から
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(3) - 2018年12月25日
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(2) - 2018年12月20日
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(1) - 2018年12月19日