『勁草』by 黒川博行ーアウトロー小説として読ませます。【書評】

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『勁草』 by 黒川博行 (東京: 徳間書店,2015)を読了しました。

ご紹介しましょう。

勁草 (文芸書)

勁草 (文芸書)

  • 作者:黒川 博行
  • 出版社:徳間書店
  • 発売日: 2015-06-09

『勁草』by 黒川博行ー「オレオレ詐欺」犯行手口と、その集団の実態を描いた作品

直木賞作家の黒川博行氏はご近所さんです。もちろん面識はありませんが、徒歩数分のところにお住みだそうです。

それだけのことですが、何となく親近感を抱いていて、たまに新刊を買い求めたりします。犯罪、暴力団、警察といったテーマの作品が多いようですが、会話が大阪弁ですし、大阪の下町がロケーションのことが多いので、読んでいて親近感が湧くんですね。

さて、書店で平積みされていて何気なく買い求めた本書。「オレオレ詐欺」集団の犯行手口と、その集団の実態を描いた作品です。

「オレオレ詐欺」って年間被害額は560億円なんですね。周到に準備された組織犯罪のようです。

その組織はつぎのようになっているようです(帯=腰巻きから引用)。

  • 名簿屋=標的候補の資産、家族構成、家庭環境までをも事細かに調べ上げ「騙し」のリストのデータベースを作り上げる。
  • 掛け子=カモ候補の「名簿」を元に、電話で言葉巧みに被害者を誘い出す。
  • 受け子=被害者から金を受け取る。金の受け渡しは振り込みよりも直接が主流。捕まる可能性が高いため、社会の弱者が駆り出されることが多い。
  • 道具屋=詐欺に使う飛ばし携帯、架空名義の銀行口座、印鑑などを調達する。
  • ケツ持ち=問題が起こったときのトラブル解決を担う組織暴力団の構成員など。

これだけの人間が組織的に活動しているのですね。

大阪市内の下町や、南大阪郊外を舞台に展開するストーリー。大阪弁炸裂の会話と相まって、あまりガラはよろしくありませんが、アウトロー小説として読ませます。

一カ所ミスを見つけました。「スタバの店内でタバコを吸っていた」とありますが、これは明らかに間違いですね。テラスに灰皿を置いている店舗はありますが、スタバの場合、店内は全面禁煙のはずです。

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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!

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