はじめに
大学行政管理学会東北地区研究会・シンポジウム「地方創生と大学の役割」@東北学院大学が開催された。
その参加報告がアップされている。
今回は、その基調講演「我が国の地方創生政策の動向〜地方創生と大学の役割〜」(文部科学省高等教育局大学振興課 課長補佐 遠藤翼氏)から、「スタッフ・ディベロップメントに関する省令改正」で述べられている内容についてご紹介しよう。
SDの義務化
大学職員の資質の維持・向上が必要
- 単純に「研修をしなければならない」と規定しなかった理由を考えて欲しい。
- FDは目的を定めていないが、SDには目的が定められている。
- 各大学が研修を個別にやる時代ではない。
共同型の各種研修を通じて自らの能力を高めていける職員。 - 「その他必要な取組」この記述がポイント。
研修の実施方針・計画の全学的な策定。 - 当該条文の「職員」には、法律上の規定通り、教員、執行部、技術職員、事務職員を包括する。
【参考】
「大学は、その教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、職員を対象とした、必要な知識及び資質を向上させるための研修の機会を設けるほか、必要な取組を行うものとする」
(中央教育審議会 大学教育部会(第42回)資料3-2 スタッフ・ディベロップメント(SD)に関する大学設置基準等の改正案のポイント)
まとめ
筆者の関心は「職員」の定義である。
「教員、執行部、技術職員、事務職員を包括する」であるから、ほとんどの大学人がSDの対象となるということだ。
いっぽう非常勤講師、委託講師、派遣職員、アルバイト職員等のような非正規職員も包括されるのであろうか?
近年、多くの割合を占め、大きな戦力となっているこの人たちを無視して大学運営はできまい。
ともあれ各大学は、
- 教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るために
- 研修の実施方針・計画を全学的に策定しなければならない。
ということになる。
SDといえば、いまだに「事務職員の能力向上」と考え、事務職員だけが対象と思っている向きが多いと思われる。
したがって、義務化される前年中にこのことを周知徹底する必要があると同時に、このことを踏まえた全学的な実施方針・計画の策定を行う必要がある。
そのためには、これまでの雇用や人材育成の仕組みを変える作業が必須だと思うのだが、どうだろう。
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