高偏差値・ブランド大学へ
あくまで私の限られた範囲での感想ですが、少子化のせいか進学問題に熱心な保護者が増えているような気がします。
そして、これまた揃ったように英語教育に熱心です。これからの時代はせめて英語ぐらいは、という親心なのでしょう。
名門大学付属の小学校へ入学させたいという話、また別の人からは、進学実績の高いところへ引っ越しする、という話も聞きました。
皆さんそろって、
- 偏差値の高い大学
- ブランド大学
を目指しているようです。
親の期待に反して学力が芳しくなければ、不本意ながら中・下位大学へ行く、ということになるのでしょうか。
「教育の中身」で大学選び。大学人としてそうあるべきだと考えているのですが、まだ一般的には浸透していないのかもしれません。
すべての大学に言えることは、
- 学びを受験生にわかりやすく伝える
- ミッションの実現
にあらためて精力的に取り組まねばならない、ということですね。
ミッションの実現こそ
ここでは後者についてです。
まず、具体的でわかりやすいミッションがまず必要ではないでしょうか。近年ミッションの再定義を行った大学も数多いことだと思われますが、時代に合わせて再定義されたそのミッションはわかりやすいですか?中・長期計画と併せてゴールが明確に見えますか?
多くの大学が掲げている「実学教育」だけではいささか弱いのではないでしょうか。いずれ職業専門大学と競合もしますし、何より抽象的で受験生には理解しにくいキャッチフレーズです。
「◯◯が実現できる大学」というミッションのもと、そのための組織を編成し、教職員が熱い情熱で実現に向けて奮闘する。そしてかならず実現し、実績を作る。
その結果、「個性のある大学」「実績のある大学」という評判が、その大学の高評価につながる。これがひとつの「勝ちパターン」ではないでしょうか。
このような大学は少数ながらすでに存在しています。ワン&オンリーな存在ですから、高偏差値・ブランド大学とは異なる意味で、存在価値のある大学です。実績を作れば「そうなりたい」という受験生が多く応募するはずです。ほかにそんな大学は(おそらく)ないのですから・・・。
- 具体的でわかりやすいミッション
- それを実現するための組織と教職員の熱意
定員充足のための方策を「大学改革」と称していると思われても仕方のない現状ですが、この2点から再出発し、教育の質充実をはかることが、大学人のみならず国民が納得できる改革だと考えます。
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