「大学行政管理学会誌」第18号が届きました。
昨年参加した研究集会@東北学院大学の記録が掲載されており、懐かしくなりました。
東北学院大学の佐々木俊三副学長の基調講演を講演録で読み、あらためて感動しましたし、シンポジウムもまたすばらしいものでした。あれからもう1年になるんですね。
さて、標記の論説です。
「私立大学のガバナンス改革とマネジメント―概念と具体的提言―」
著者は新藤豊久氏(実践女子大学・JUAM会長)です。
ガバナンスを「マネジメントを監視・チェックするもの」と定義し、監査室の導入をはじめ、私立大学のガバナンス機能の構築は遅れていると指摘しておられます。
大学はトップ・マネジメントの監視やチェックのレベルを高める工夫やガバナンスの強化が課題であり、そのために、理事会の監督機関としての機能を監事や評議員会へと分離し独立させるべきと主張されています。
今後の在り方として、私立学校法等の改正により、経営責任と監督責任を分離明確化するといった考え方が必要だと提言されておられます。
ところで、個人的に目を惹いたのが次の一節でした。
トップマネジメントのチェック項目として、役員業績評価がある。理事会や学長、理事等に報酬や給与が支払われているにもかかわらず、その職務執行について、役員業績評価がほとんどなされていない。
最高の意思決定機関である理事会として、責任をもって業績評価を実施できる機関に変わる必要がある。
教職員は、それぞれ程度の差こそあれ、評価がなされています。いや非常勤講師だって授業評価という「評価」にさらされています。そういう意味ではこれまで理事会の業績評価がなされてこなかったことは(いささか不穏当な表現をお許しいただければ)不公平ということになります。
このことだけでなく、監事や評議員会の本来の役割が問われているようです。
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