雨の中、東京へ出かけてきました。
まさに旬のテーマです。
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テーマ:大学のガバナンス改革と職員の役割
大学行政管理学会(JUAM)主催
青山学院大学共催
文部科学省後援
2015年7月3日(金)13:30~17:30 @ガウチャー記念礼拝堂
要点
■大学ガバナンス改革と職員の役割 文部科学省大臣官房審議官 義本博司氏
1.教育再生実行会議提案を軸とした我が国の教育改革の動向~高大接続改革を中心として~
○高大接続
- 「質転換」の発展型
- 認証評価―質の改善につながるように、学習成果や内部質保証の評価等について検討。27年度を目処に結論を
- APが抽象的。入試の設計図になるようなものが望ましい。
○大学教育改革~学生の学びの質の転換~
- 3つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立―一体的に策定、発信、実施―
①入学から卒業までの一貫した教育内容の確保
②知識の伝達・注入を中心とした授業からアクティブ・ラーニングへの転換
③学習成果の把握・評価
④大学教育の質的転換の断行を支える体制の整備
2.大学ガバナンス改革の動向
- 私立大学の理事会と学長との関係については言及していない。
→それぞれの大学を尊重している。 - これからどう実質化するか
→中身に何を入れるか
3.大学運営の一層の改善・充実のための大学職員の役割
- これからはIRが必須
→エビデンスに基づく改革。大学院のプログラムとして、九州大学だけでなく、今後増加するかもしれない。 - 高度専門職人材の流動化は、将来はあり得る。
- 企業出身者のセカンド・キャリアとして大学が迎えることが、今後増える。
- 地域の金融機関出身者を嘱託として受け入れ、産学連携をやってもらう。
→近年、事業性・将来性を融資の条件としており、大学と組むことも多くなる。 - 専門的職員は、関連団体での教育を含め、息の長い取り組みとなる。
4.人口減少時代の大学経営
- 20年後には18歳人口が80万人に。
■大学経営課題と職員への期待 青山学院大学 杉浦勢之氏
○大学経営のユニークさ
- 長期的な視点で見ることの大切さ
- 学部をどうするかがガバナンスの課題
○大学経営の難しさと可能性
- バーチャルな大学が生まれつつある
- 職員評価の深化の必要性
→生産性から創造性へ 創造性の拡大を
○大学職員への期待
- あまりにも短期的成果を問われていないか
- 職員から教育プロデューサーへ
- 生産性のみならず創造性の評価を
■社会と大学をつなぐ職員力 慶応義塾大学 基金室 大堀 洋氏
- 教員と職員の間で、胸襟を開いた議論がどれだけ出来るかは、信頼関係の深さが影響する。
■大学改革を実践する職員人材の育成 関西大学 常任理事 法人本部長 五藤勝三氏
- 職員は学生社会人基礎力のモデル
- 組織文化(風土)の理解が大事で、それが職務行動に現れ、その大学独自の文化を形成する。
【氷山モデル】明示的規範と黙字的規範感想
こののち、上記3名によるディスカッションが西川幸穂氏(立命館大学 人事部長)の司会により行われた。
感想
- 大学より文科省の方が先見性があり、考え方が進んでいる。
- 大学人の意見は大変参考になったが、少々物足りない感じがしたことを正直に述べておきたい。引き出しを多くお持ちだと思うので、今後の育成策なども聞きたかった。
- いまやるべきことは、3つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立に尽きる。
生意気ですが、そんなことを感じたのでした。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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