「英語村」、「イングリッシュラウンジ」など名称は大学によって異なりますが、ネイティブ講師を配し、日本語禁止の英語教育施設が多くの大学に設置されています。
それがはたして有効か?というのが今回のテーマです。
イマージョン(英語だけを用いる授業)と漢文読みの両極端
斉藤塾(J PREP)代表の斉藤 淳氏がかつてこう述べていました。
- 日本の英語教育はイマージョン(英語だけを用いる授業)と漢文読みの両極端
- 従来的指導法に対する反発でイマージョン式が普及してきましたが、効果が得られていません。
- イマージョン法は日本人が言語的に近い韓国語を学ぶ際には有効ですが、状況が異なる英語の場合には日本語での補足説明が必要です。
- 少人数クラスでの日本語ネイティブによるチーム指導が効果的ですが、残念ながら普及していません。
- 非常に残念ながら、大人数の文法訳読法(ほとんどの学校・塾)、個別指導のイマージョン(英会話学校)のどちらかしか選択肢の無い状況になっています。
教育効果は?
はたして教育効果はどうなのでしょうか?
成果を可視化するような仕組みはあるのでしょうか?
PDCAは回しているのでしょうか?
英語に親しむきっかけになるとは思いますし、きっとそれぞれの講師が工夫を凝らして教育されているのでしょう。
しかし、理解できない英語をいくら聞いても進歩がないのと同様に、基本をマスターしていなければ、効果はないのではないでしょうか。
そして、上記の斉藤氏が述べているように、日本人には「英語だけの環境」は向いておらず、日本語の補足説明が必要だとすれば尚更です。
いまは音源も映像も無料で手に入りますし、Skypeを使ってネイティブと会話することも僅かな金額で可能です。学習素材には事欠かない環境となりました。
英語学習に王道はなく、多くの英語に触れ、地道に努力するしか方法はないと言います。
必要なことは、受講者のレベルに応じた基本のマスターと、英語学習への関心を喚起する授業ではないでしょうか。
いま一度、その意義と効果について検証する必要があると考えます。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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