リクルート進学総研が、2015年3月に卒業予定の学生1,703名を対象に行なった調査です。
卒業時満足度調査2015
1.大学生活に満足しているのか
- 77%の大学生が「満足している」
- 「満足度」は、校風・評判・先生・友人・身につく力など、様々な要因が複合的に混じり合って形成されている。
2.入学前の期待は、卒業時に叶ったのか
- 期待以上だったのは“先生との出会い”
- 期待どおりだったのは“知識を身につけられたこと”
- 期待外れだったのは“グローバル化への対応”
3.大学在学中に、成長できたのか?
- 76%が「成長したと思う」
- 5割が「卒業論文・制作を仕上げたこと」が成長のきっかけ
- 大学生活で身についた力のトップは「専門分野の知識・技術を理解・習得する力」、最下位は「将来、グローバルに活躍できる力」
学生満足度調査の難しさ
大学研究家の山内太地氏は、青山学院大学の学生意識調査に触れて、以下のように述べておられます。
4年生を対象にした卒業時のアンケート調査では(中略)約80%以上の学生が大学に満足していた。ただし、これは個人的には、大学の質に対してではなく、自己肯定感の問題ではないかと思う。
(「世界の大学めぐり」2013年7月23日)
私の勤め先でも卒業時に満足度調査を実施しています。調査日は卒業式です。上記の調査同様、例年満足度は非常に高いです。
調査結果を見るたびに、山内氏の指摘を思い出します。卒業式のような非日常的な心理状態のもとで、はたして正しい調査が行えるのか、という疑問です。
落ち着いた環境(たとえばゼミの授業中など)で、調査の趣旨を十分説明し、率直な回答を依頼すれば、はたして結果に変化はあるのでしょうか。
卒業式だから満足度が高くなるのかもしれない。落ち着いた環境でやれば低くなるかもしれない。この仮説を検証してみる必要があります。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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