『大学版IRの導入と活用の実際』佛淵孝夫【書評】

『大学版IRの導入と活用の実際』佛淵孝夫著(教育図書出版部)が出版されました。
アマゾンで調べると品切れになっていましたので、関心のある向きが多いのではないでしょうか。
いま大学業界でIR(Institutional Research)ほど流行(?)している言葉はない一方で、これほどまだ理解(定義)されていない言葉もないでしょう。
企業でいうところのIRではなく、最近では「教学IR」というもっぱら教育の質充実のためのものと解釈している大学も多いようです。
IR専門の部署を設置する大学もすこしづつ増えてきました。
経験と勘に頼るのではなく、エビデンスにもとづいた意思決定は当然といえば当然のことです。
これまでなされてこなかったのは、ひとえに受験者数が定員を上回っていた平和な時代であったからでしょうし、上記のように最近では教育の質充実が問われる(インプットからアウトプットへ)ようになってきたこともその大きな理由だと考えられます。
著者の所属されている佐賀大学のような大規模な部署をもつことは小・中規模大学ではむずかしいと思いますが、たとえ小規模でもやれることがあるはずで、今後は燎原の火のように導入する大学が広がると予想されます。
そして、IRの専門人材が強く求められるのではないでしょうか。
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