はじめに
学生時代に、職員にひどい対応をされたという現役職員の話をよく聞く。
近年、窓口での応対は、一昔と比べれば格段に良くなったと感じる。
それでも、まだ評判の悪い職員がーごく一部だと信じたいがーいるようだ。
加えて、近年の業務の繁忙化と高度化にともなって、窓口業務を兼ねていると業務に集中できないという支障も出ているようだ。
改善のためには、マナー教育も有益だと思うが、ここではその改善方法を考えてみた。
何をいまさらの内容かもしれないが、窓口業務改善のヒントにしていただければ幸いである。
窓口業務改善のヒント
窓口業務の改善
デスクワークを行っていて、窓口に学生が来る。
立ち上がって対応し、デスクに戻る。
ふたたび先ほどの業務に戻る。
日常的に経験する情景である。
いちど業務を中断すると、脳が元の状態に戻るまで一定の時間を必要とするようだ。
このことは生産性に大きな影響を与える。
そのような状態になっている職場は多いのではないだろうか。
改善のヒント
まずは現状の問題点を抽出。
具体的な改善策としては、
- 対応は窓口担当者が行う(場合によっては交代制。平職員や非正規職員が多くなるかもしれない)。
- 専用の窓口デスクを設ける。立ち上がらなくてもいいように、カウンターの前に置く。
- 重要なことについては、課内で情報の共有をしておく。
- そのために、毎朝ミーティングを行う。
- 「よくある質問(FAQ)」を作成し、職員間で共有する。さらにイントラネットに掲載し、学生に周知する。
- 窓口担当者が対応できない場合には、担当者に引き継ぐ。
- 可能な限りワンストップサービスを可能にするために、他部署の窓口業務を把握しておき、誘導をスムーズに行う。
といったところだろうか。
これらについて、PDCAを回し、さらに改善を加えていく。
対応に問題のある職員への指導
クビにならないから横柄でいられる、とのネットの意見があった。
「授業評価」とおなじように「学生評価」を受けるのはどうか。
大学によっては、「学生受信箱」のようなものがあるところも多いかもしれない。
また、学生アンケートを実施している大学も多いだろう。
いずれにしても、重要なことは学生からのフィードバックを受けることである。
いまどき実施していない大学はないと思うが、ネームプレートも必須である。
匿名ほど卑怯なことはない。
ところで、そういう対応をする職員は、周りの者は知っていると思うのだが、なぜ上司が指導できないのだろうか。
このことも問題点のひとつではないだろうか。
学生の言い分
私が受けた時は大阪市立大学だったけど、そのスタッフさんがとても親切+私の顔を覚えさせられてたようで校門ですぐに来て、トイレの位置とか黒板、通訳者位置は見えにくいかとかもきちんと最後まで確認してくれた。
大学職員さんのへの伝達事項、態度によってはまちまちなようだけど私は安心できたな— シン・ハルコ (@tamalovepoaro) 2017年1月13日
大学職員は、なぜ学生さんにあそこまで感じ悪い応対ができるのか。
まあ、出入り業者にも偉そうな態度だけどね、大学職員。
— いなとりhasegawa (@bay01tigers99) 2016年12月21日
大学職員の中でも教務課は、態度が高圧的で悪いの、あげくに無能だから民間業者にやらせろと散々な言われようが多い。
一つには、学生や保護者に民間のサービス業と、教育機関の窓口の区別がついていないのが原因だろうな。
もう一つは、職員の側で対応する言葉遣い等が、統一されていないのもある。— 小保方克仁(特定社会保険労務士) (@azumasr) 2016年10月1日
大学職員は基本的に学生を見下してるし、学生の相手をするのは面倒だと思っているに違いない。
態度が悪すぎる。事務部も就職課も二度と行きたくない— 錯乱。 (@Betrayer1107) 2016年7月25日
なぜ大学職員は居酒屋バイト以下の対応態度なのか
— 猫山んこ (@nkymnko) 2016年5月30日
教育実習ガイダンス、毎回毎回同じ内容。教育実習で心がけるべき点とか、指導教員や大学職員の苦労は踏まえた上で実習行く態度が大事なことくらいわかってます。長ったらしくて退屈な話をいかにも「どうだ、ありがたいだろ」って言ってくるの、本当に困る。新しい情報もクソもない。時間の無駄。
— トモフミくん (@tomofimorgon) 2016年5月6日
大学職員は何で大学生のことを学生扱いするんだ?
学生扱いしていいのは教授だけで
お前らにとってはお客様だぞ?
大学職員の態度の悪さにはなれたけど— 中山むつみ (@nakayama_warhis) 2014年7月11日
大学人の意見
大学窓口問題かあ。上下の差別化をしたがる人は学生に対して横柄になると思うな。学生だろうが職員だろうが、教員だろうが、みんな人として「誠実」に「公平」に接すれば、横柄な態度にはならないし、変に媚びることも無い。「学生のくせに」って思う意識がいけない。と、個人的には気をつけている。
— 四十爺の大学職員 (@iririr67) 2017年2月24日
「大学職員はレポート提出期限が少しでも遅れたら全く受け付けてくれない」というのは学生から良く聞く不満である。これは、大学という高等教育機関に在籍する学生は正に“教育”の対象者であるという考えの下、期限厳守の重要性を伝える故の行為である。しかし態度が悪すぎる職員がいるのは否めない。
— 熟考する大学職員 (@zyukkou) 2016年9月13日
大学職員のベースとして、①運営知識、②学外の多様な知識、③違う立場の目線で考える態度、④大学人としての矜持。#大学教育改革フォーラムin東海2016
— とある大学職員 (@daigaku23) 2016年3月12日
おっしゃるとおりだと思います。教職員の側に向上心がなければ学生は付いてこない“学生は,驚くほど教職員の態度・姿勢を見ている。その意味で,学生は我々の鏡なのである” / “学生のルサンチマンを,前向きなエネ…” https://t.co/9MA07Jeuiw #大学職員 #学生支援
— high190 (@high190) 2015年12月1日
「毅然とした態度」のつもりが単に「横柄な態度」となっている職員は確かにいます。
(大学職員向けに)大学財政等の小難しい研修をやるよりも、まずは窓口・電話マナー研修のようなものをやるべき!と研修担当には伝えているものの未だ実現せず。— これでも大学職員 (@koredemo) 2015年10月3日
まとめ
大学は単なるサービス業ではなく、学生への「教育」そして「指導」が必要だという意見があることだろう。
しかし、だからといって、学生に不愉快な思いをさせてよいということにはならない。
窓口業務で学生への印象をよくすることは、学生の愛校心を高めるために大事なことである。
改善の余地は大きい。
これは立派な「改革」であり、職員のみで実現可能なことでもある。
そして、ひいては他大学との差別化につながるのではないだろうか。
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