私学高等教育研究所シリーズ(研究報告)No45(IRの基本原理と活用―国際比較と日本型IR)からのご紹介である。
今回採り上げたのは、
「IRの基本原理と米国での活用、日本での応用」
【講演】山田礼子氏(同志社大学社会学部教授)
である。
山田礼子氏は、米国でのIRの現状について紹介されたあと、わが国のIR組織とその人材育成について考えるべき重要な項目を挙げておられる。
そういうわけで、それら2点に焦点を当てて、筆者なりにまとめた内容をご紹介する。
急速な環境変化の中で対応できるIR組織になっているか―IR組織について考えるべきこと
短期間に急速にIRに関心が高まってきたが、アメリカと比べて急速な環境変化の中で対応できるような組織になっているのかについて考えてみる必要がある。
【考えるべきこと】
・既存の大学教育研究センターでは、IR部門として機能すべきか、すべきでないのか。
・IR部門が存在しているのか。
・専門職の存在と育成はどうなのか。
・私立大学におけるIR部門は国立大学と同じであるべきなのか。私立大学独自のIRの機能というものがもしかするとあるかもしれない。
・データ収集、分析が主たる機能なのかといったときに、その場合は財務や教学データ、入試広報データ、全部なのか。
・レポーティング業務が主たる機能なのか。大学評価の関係書類作成を含んで、それが主なものなのか。
・政策立案機能や、戦略計画策定を重視するか。
・機関によって異なる機能なのか、あるいはデータを一括して管理する組織なのか。
・財務、戦略、エンロールメント・マネジメントを行う組織であるのか。
山田氏の結論
全体をまとめてみれば、IRの基本的なテーマは、大学の執行部が意思決定などにも役立てるように、自分の大学機関の諸データ、内部データ、それを外部データとして関連して分析すること。
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