はじめに
眠いと仕事になりません。そういうときには昼寝(Napping)ですよね。学生も同様です。昼寝の効果は大きいようです。
そういうときのために、キャンパスに仮眠室を設置すればいいのではないでしょうか。
その必要性、日米の大学の現状、仮眠の効果などについてまとめてみました。
仮眠室をキャンパスに
なぜ必要なの?
▼株式会社オンリースタイルによる、こんなデータがあります。

とりわけ大学生に特有の理由としては、
- 夜型の学生が多いので、昼間は寝不足状態
- 授業の合間に時間をつぶす場所が少ない
- 一人で過ごしたり、休む場所が少ない(図書館などでは寝にくい)
などがあると思います。
現状は?
米国の大学
▼「クーリエ・ジャポン」から。もとは「タイム」誌の報道のようです。

この記事に紹介されている事例はつぎのとおりです。
ミシガン大学では2014年、図書館内に仮眠室が設置された。パーテーションで仕切られたスペースには、6つの簡易ベッドと使い捨て枕が並び、一人最大30分まで利用できるシステムになっている。
また多額の費用を投じて、昼寝の設備を整えた大学もある。南部のサヴァンナ芸術工科大学やセント・レオ大学は、一台1万ドル(約120万円)ほどもするメトロナップス社の「エナジー・ポッド」(写真)を導入した。リラックス効果のある音楽が流れたり、目覚まし用のライトが点いたりする仮眠用ハイテクチェアだ。
セント・レオ大学ではこれを4台設置。とくに遠方から通学する学生に人気で、毎日決まった時間に来て昼寝をする学生の姿も見られるという。「図書館での居眠りは、周りの目が気になっていたから助かる」と話す学生もいる。
米国の大学では睡眠時間を削って勉学に励む学生が少なくない。だが、近年の研究で、睡眠不足の学生ほど成績不振に陥り、落第する可能性が高いことや、記憶力向上に仮眠が有効であることがわかっている。今後、大学で昼寝をする学生はさらに増えそうだ。
日本の大学
▼関西学院大学の仮眠室ですが、女性の教職員・学生向けです。男性用も提案されているようです。

▼情報科学芸術大学院大学の仮眠室で、研究者用のようです。

学生用の仮眠室は、調べればあるのかもしれませんが、おそらく少ないであろうことが想像できます。
仮眠の効果
『覚えない記憶術』樺沢紫苑(サンマーク出版)によると、仮眠の効果について、
アメリカのNASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%アップ、注意力は54%もアップした。
とあり、以下のような企業の動向が紹介されています。
- アメリカでは、仮眠室やナップポッドと呼ばれる睡眠マシンを導入する企業が増えており、Googleやナイキなどの大手企業も導入している。
- 日本でも、厚生労働省が作成する「健康づくりのための睡眠指針」が2014年に11年ぶりに改定された。それによると、「午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立ちます。午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的です」とある。
- 最近では日本の企業でも、仮眠室を設け、仮眠をサポートする会社が増えている。
どんなイメージ?
では、どんな仮眠室が理想的なのでしょうか。
個人的には、シネコンや航空機のビジネスクラスのシートをイメージします。
広すぎず狭すぎない部屋で、BGMはヒーリング・ミュージック&仄暗い照明等々です。あるいはネットカフェ(行ったことないですけど)のような感じになりますか。
いずれにしても専門家と相談すればしかるべきものができるのでは、と思います。
まとめ
私も学生時代に仮眠室があればどんなにいいだろうと思っていました。数十年前は生協食堂と図書館ぐらいしかありませんでしたから。
事前に学生アンケートを実施することは当然のことですが、その際うまく問いかければ、仮眠室だけでなく、ほかにも真のニーズを見つけることができるかもしれません。
この仮眠室、意外と人気が出るかもしれない、と考えているのですが・・・。
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