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最優先で取り組むべき課題
離学者問題(退学予防)は、定員充足問題と並んで大学経営の2大課題です。各大学では、入口(入試)と出口(就職)への取り組みは熱心ですが、このことについては苦労されているように見受けられます。私の勤め先でも例外ではありません。
入学定員超過率が厳しく規制される今後は、
- その前に定員を増員
- 学部の細分化
などの対策が取られるのかも知れません。「上に政策あれば、下に対策あり」です。
しかし、これまで効果をあげていなかった離学者対策に一層真剣に取り組むことも対策のひとつではないでしょうか。仮に離学率が年5%であれば、4年間で20%にも及ぶのです。それを半分に減らせば1割の定員が確保できるわけです。
そういう意味でも、これは最優先で取り組むべき課題です。
離学の真の理由とは
さて、離学の理由です。
大学を辞める理由には色々あるでしょうが、真の理由はつぎの2つだという指摘があります。
- 大学が面白くない
- 友人関係が上手くいかない
辞める際の面談では「経済的理由」だとか「進路変更」「就職」といった理由が並ぶのですが、本心は違う場合が多いそうです。
そうだとするとこの2点を上手くいくようにすれば、継続して学んでくれるということになります。
- 大学が面白い
- 友達が多い
という状態になればいいわけです。
対策としては、1年生の前期に支援するのがもっとも効率的だと言われます。なぜなら離学者の大半はこの時期にその決心を固めるからです。
大学が面白い、そこへ行けば友達が多くいる。そういう状態になるように、大学はあらゆる対策を講じなければならないのでしょう。
参考文献
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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