5年前に聞いていた「入学定員超過率の適正化」
話題の「入学定員超過率の適正化」について耳にしたのは、5年前の京都でした。
2012年11月16日の(社)日本能率協会主催「第4回大学マネジメント改革総合大会」@京都産業大学むすびわざ館、においてでした。
分科会での、京都学園理事長の西井泰彦氏(現・私学高等教育研究所主幹)からの情報提供でした。内容は「平成28年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)」とほぼ同じだったと記憶しています。
5年前に非公式情報(?)として発表されていましたから、当時すでに多くの関係者の知るところだったのかも知れません。
私も、出張報告書に記して、職場のイントラネットに投稿しましたが、反響はありませんでした。読まれていなかったのかも知れませんが・・・。
これは多くの大学にとって深刻な問題です。すでに予定していた計画の変更を、余儀なくされている大学もあるようです。
定員超過への疑問
正直に告白すれば、私は以前から定員超過について疑問を持ち続けてきました。
通常、定員は施設のキャパシティによって決められます。定員より申込者が多くなれば、広い会場に変更することになります。
大学にもキャパシティがあるはずです。たとえば教室をはじめとする施設、そしてS/T比(教員一人あたりの学生数)です。
定員より多くの学生を入学させることは、以上のことから、学生にとって条件が悪くなることを意味します。
上記文科省通知の(参考1)によれば、昔は、補助金不交付となる収容定員超過率、入学定員超過率ともにべらぼうに高かったことが分かります。
昭和48年度では、収容定員超過率は7.0倍以上(!)、入学定員超過率も7.0倍以上(!)です。つい10年前の平成17年度でも、収容定員超過率は1.62倍以上、入学定員超過率は1.45倍以上です。
経営上の問題がある(離学者が出るから、など)のも理解できますが、それにしても理解しがたい倍率です。
地方創生の話がなくとも、定員超過問題はいずれ是正されるべきだったと考えます。
対策として、離学者防止、官民問わず競争的資金の獲得など、やるべきことは多いと思うのですが・・・。そういうことは綺麗事だと批判されるのかも知れません。
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