はじめに
「『事務』職員から『大学』職員へ」第7回目です。
今回は、「大学改革が進まない理由―目の前の学生に向き合っていない」です。
この記事は、福島一政氏の第1回高等教育推進センターSD講演会(関西学院大学)での講演をご紹介するものです。
出典:関西学院大学高等教育研究第2号(2012年3月)
目の前の学生に向き合っていない
目の前の学生に向き合っていないということについて福島氏は、
- 本当になんとかしなければならないところは見ていない。
- その子たちがたとえ崩れているような感じでも、実際にまともに向き合って話をしてみると必ず背景がある。そういうふうにせざるを得なかった背景がある。
と述べています。
学生本人に合った導きを
大学生をもつ親の立場からすれば、これは耳の痛い指摘です。
子は親の鑑だからです。
「そういうふうにせざるを得なかった背景がある」はとくに重要で、その背景を探りながら、その学生本人に合った導きをする必要があると思います。
じっくりと向き合うこと
「うちの学生は性格がよい」などと根拠のないことを言う大学人がいます。
自分の大学の学生が可愛いのは理解できます。
しかし、「本当になんとかしなければならないところ」を探り当て、指導しなければなりません。
そういう学生なら学生相談室へ、という短略的な行動ではなく(最終的にそうしなけばならない学生もいるでしょうけど)、まずはじっくりと向き合うことが先決だと思います。
私も管理職になってからは学生と接する機会がほとんどなくなりました。大学人にとってこれは非常に残念なことです。
いちばん多く接しているのは、もちろん教員とそして中堅・若手職員ということになります。
そういう心構えで学生に向き合ってほしいと思います。
⇒第8回:大学改革が進まない理由ー学生が集まりそうな学部・学科を新設すればなんとかなるという幻想にとらわれすぎー 「事務」職員から「大学」職員へ(8)を読む。
【目次】「事務」職員から「大学」職員へ 福島一政氏の講演から
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(3) - 2018年12月25日
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(2) - 2018年12月20日
- 2040年代における大学の役割と使命 大学行政管理学会(JUAM) 特別シンポジウム(1) - 2018年12月19日