『大学のIR Q&A』中井俊樹・鳥居朋子・藤井都百編(玉川大学出版部)
IRの参考書として、まずこの一冊を
本書の特徴
- IRを機能面で捉えている。
→これからは、IR機能の高度化が大学に求められる。 - Q&A方式
想定する読者
- 大学の教職員
- 研修を担当する立場の職員
構成
第1部 IRの実践のための指針をまとめているパート
第2部 IRに関する100の質問に対する回答をまとめている本書の中心となるパート
第3部 IRの実践において役立つと考えられる資料を集めたパート
とくに第3部の以下の資料は使えます。
- 高等教育の動向の情報源
- IRの基礎用語
- 参考文献
これらで基本的なことを把握した後、
以前ご紹介した、
- high190氏のClear Consideration(大学職員の教育分析)
- 京都光華女子大学・橋本智也氏の私立大学職員による(Institutional Research)IR文献メモ
に進むのが、Google先生に訊ねるよりは、はるかに効率的な勉強方法だと思います。
IRの必要性を識者のコメントからあらためて考える
文部科学省大臣官房審議官・義本博司氏は、
- これからはIRが必須
- エビデンスに基づく改革を
(大学行政管理学会シンポジウム「大学のガバナンス改革と職員の役割」@青山学院大学、2015年7月3日)
リクルート「カレッジマネジメント」編集長・小林 浩氏は
- エンロールマネジメント(EM)の仕組みを動かしていくためには、大学経営層と教員、職員の理念の共有、協働が重要となってくる。
- IRも、このEMの実現が大きな役割のひとつ
- 一貫したマネジメントなくしては、せっかくのIRも絵に描いた餅となってしまうだろう。
(「カレッジマネジメント」193)
と述べています。
とくに小林編集長の指摘は、私にとって眼から鱗が落ちた卓見でした。
ともあれ、みんなで頑張って勉強していきましょう。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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