話題になっているようです。
変更内容
具体的な変更内容は以下のとおりです。
- 1コマ90分7講時制→1コマ100分6講時制へ
- 授業期間を半期15週→14週へ
- 1コマ100分の授業時間を50分モジュールで区分け
a、bの2つの「モジュール」という50分ごとの単位に区分けする。
(例)a.講義+b.ディスカッションや確認テスト - 将来は100分+50分の実験・実習といった授業形態も
- 2017年度春学期より開始
- 将来的には7週による授業期間も見据えた柔軟性のある学年暦を作り上げることを目指す。
感想
変更の目的と理由を十分に理解しないまま私見を述べさせていただくことを予めお許しいただくとして、思いつくままに問題点を挙げてみます。
- 学生の集中力が持つか
15―45―90の法則というものがあります。
高い集中力が持続できる限界が「15分」
普通の集中力が持続できる限界が「45分」
45分の間少し休憩を挟めば、90分の集中も可能
というものです。そういう意味では、授業時間を短くすることはあっても長くすることは望ましいことではないと考えます。これまで大教室で講義を聞くだけという授業が多くの科目で続けられてきました。よくぞそんな授業が続いてきたな、というのが率直な感想です。 - 授業時間の長さが入学者のミスマッチの要因に
高等学校の50分から大学の90分という変化に多くの学生が適応することができず、これが授業へのミスマッチ要因になっているとの指摘があります。 - 現在のS/T比で100分授業が、アクティブ・ラーニングが実施可能か
多くの私立大学では、S/T比(1教員当たりの学生数の割合)が数十名となっています。このような状態で、講義に加えアクティブ・ラーニングを実施できるかどうかは疑問なしとしません。
以上のように考えれば、NPO法人NEWVERY理事長・山本 繁氏が指摘するように、
- 50分〜70分の授業×3〜4学期にすべき
というのが現状に合ったソルーションになるのではないでしょうか。
この変更が一種の「流行」として他大学にも波及するのか、それとも各大学それぞれが独自の授業時間(と学期制)や授業方法を導入するのか、今後を見守りたいと思います。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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