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「2025年を展望する 大学に求められるもの、セグメント別マーケティング戦略」小林 浩(編集長)
興味を惹いたのが、3つのポリシーを小林氏流に翻訳(?)した説明と、標題のセグメント別マーケティング戦略の2点です。
今回は、この2点についてまとめてみます。
3つのポリシーを分かりやすい表現で
- ディプロマ・ポリシー
この大学を卒業すると、何ができるようになって、どのような人材を社会に送り出すのか - カリキュラム・ポリシー
それができるのは、どのような理念に基づき、どのような教育の仕組みがあるからなのか - アドミッション・ポリシー
そのためには、どんな志向や意欲を持った学生に来て欲しいのか、どんな要件(能力)が必要なのか
カレッジ・レディネス:入学する学生には、どのような準備をしてきてほしいのか
中長期を見据えた私立大学のセグメント別マーケティング戦略
①大手総合人気大学群(リーダー)※1学年2,500人〜
- 2018年までに法人としてのブランド校のポジションを確立し、グローバル化への対応が必須
- 国立大学との優秀な学生の争奪戦
- 2025年に向けては、総合大学の領域強化策として他大学との吸収・統合(M&A的拡大)や収益構造の多角化といった戦略、国内外を含めた学生の多様化が課題
②中規模中倍率大学(チャレンジャー)※1学年750〜2,500人
- リーダー群とは異なる価値創造を意識しながら、2018年までに生き残り大学としてのポジションを確立する。
→今後少子化の進行が想定される中では、志願倍率の下方圧力が高まるため、現在このセグメントでも、安心することはできない。 - 地方都市を中心に強化が考えられる公立大学との競争も激しくなる。
- 大学ブランド力が低下すると、付属校の募集悪化が懸念される。
- 提供する価値の明確化を進めながら、その価値に合った学部学科の再編や地域社会や企業との連携、卒業生の組織化等が課題
③カテゴリーキラー(ニッチャー)※小規模×高倍率
- 大学や学生にどのような個性を持たせるか、それを社会に浸透させるかが最大のポイント
- どのような人材を育成するのかが課題
④淘汰予備軍(フォロワー)※恒常的に定員割れの状態が続いている大学群
- 地域で選ばれるための価値を明確化
- 適正な定員規模でカテゴリーキラーを目指すのか、それとも、学部学科の再編や、地域で活躍できる人材の育成等、抜本的な改革によってチャレンジャーの位置まで引き上げることができるかが課題
今号は、リクルートワークス研究所からのレポート、文部科学大臣へのインタビュー、3大学のケース等々盛り沢山の内容です。
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大学職員ブロガーです。テーマは「大学職員のインプットとアウトプット」です。【経歴】 大学卒業後、関西にある私立大学へ奉職し、41年間勤めました。 退職後も、大学職員の自己啓発や勉強のお手伝いをし、未来に希望のもてる大学職員を増やすことができればいいなと考えています。【趣味】読書・音楽(主にジャズとクラシック)・旅 【信条】 健康第一であと10年!
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